「公共、政治・経済」、「公共、倫理」について総合的な分析を記しておこうと思う。
「公共、政治・経済」については大問6つの34問の構成であった。2022年度の「政治・経済」の問題数が30問、2021年度が31問なので、問題数が増加している。
政治・経済については、大問5の問2のように2つの資料から労働生産性を計算する問題、大問6の問2のように三つの資料を読み取り「適当でないもの」の組み合わせを選ばせる問題が出題されており、複雑な作業が求められるものが多かった。
倫理については、大問6つの33問の構成であった。2022年度の「倫理」が33問、2021年度が33問なので、問題数はそのままである。ただし、読み取り量が多かった。
大問5の問1のように生徒になじみのない資料を読み取り思想家の考え方と関連づける問題や、大問6の問2のように資料をもとに論理的に正しくない結論のものを選ぶ問題が出題され、単純な暗記で解けるものではなかった。
公民科の「公共、政治・経済」、「公共、倫理」ともに、知識についてはこれまでのセンター試験や共通テストで問われていたものとさほど変わらない。難易度、分量についても標準の域内と言えるかもしれないが、初見の資料を読ませるものが多く、この形式が続けば対策が難しいと考えられる。受験生には負担が増していくことが予想される。
では、このような出題形式を受けて、どのような授業が求められるだろうか。
データや資料について考えさせる問いが多かったことからも、しっかりとデータや資料を読まて、どのようなことが言えるかを議論させる授業を行っていく必要がある。このような作業を普段から行うことで、読解力やデータを読み取る力、知識を関連付ける思考力を養っていくことができるだろう。また、定期考査においても、生徒にとって初見の資料を取り上げていく必要があるといえるだろう。
ただし、データや資料を収集し、そこからどのようなことが言えるのか、もしくは言えないのかをきちんと考察していく力は、大学入試に限らず、社会で求められるものであるといえる。より社会で求められる力を測る試作問題であったと受け止めたい。