問題分析 公共

公民科については、「公共、政治・経済」、「公共、倫理」という2科目セットでの出題となるようである。大問構成は、ともに6つで第1問と第2問が共通して公共の内容となっている。新カリキュラムの標準単位数が公共、政治・経済、倫理がともに2単位であることを踏まえれば、出題比率は一見アンバランスにうつる。おそらく、公共の内容が、政治・経済、倫理との重複が多いことからこのような構成だと予想される。そして、もしもそうであれば、現場のテスト対策はどのようになるだろうか。

公共の内容が、政治・経済や倫理との重複があるのであれば、公共の授業の中で政治・経済や倫理の内容を存分に扱うことになると考えられる。これが良いことなのかは分からないが、テスト自体がそのような作りをしているので、ある意味仕方のないことかもしれない。

では、出題内容について、公共の内容にあたる第1問をみてみよう。

問1 サルトル、プラトン、アリストテレス(マイケル・サンデル)、カントの思想のうちカントにあたるものを選ぶ問題(知識、標準)

問2 消費者基本法、障害者差別解消法、男女雇用機会均等法と具体的な内容を結び付ける問題(知識、易)

問3 SDGsの目標とその内容を結び付ける問題(読み取り、易)

問4 民法の内容に関する問題(知識、標準)

ここでは、公共の大項目Aの「公共の扉」以外に、大項目Bの「法的主体」の問題が出題された。これは政治・経済の科目では、政治と経済の内容を中心に扱うため、ここで法的主体を出題しておこうという意図があったのであろう。18歳成人ということで民法はやはり外せないようである。

次に第2問をみてみよう。

問1 アリストテレスの正義に関する問題(知識、標準)

問2 現金給付、現物給付と合計特殊出生率の国際比較したグラフを読み取る問題(読み取り、標準)

問3 社会保障支出と高齢化率の経年変化についての国際比較のグラフを読み取る問題(読み取り、標準)

問4 効率と公正についての会話文からの読解問題(読み取り、易)

この大問では、公共の大項目A「公共の扉」、大項目Bの「政治的主体」と「経済的主体」の問題が出題されている。

問2のグラフ読み取りの問題は、データにもとづく議論の方法について考えさせる良問といえよう。また、問3は、経済学のテキストでローレンツ曲線を扱う際に出てくる折れ線グラフで、高校生にはなじみのないと考えられる。本番で急に出題されたら苦戦する生徒がいると予想される。

以上、試作問題の公共の部分については、知識の問題が少なく、難易度としては「やや易」と「標準」の間くらいかなといった感想である。